Pediatrics
小児のう蝕は進行が早く、う蝕の発生についても生活習慣が大きく影響しますのでかなり注意が必要です。
近年ではう蝕予防についての知識が認知されてきたこともあり、カリエスフリー(う蝕のないお子さん)も多くなったと感じていますが、一方でその両極にう蝕が多発しているお子さんがいるのも事実です。
う蝕の予防には歯磨きやフッ化物の応用といったところももちろん大事ですが、先ずは食生活において砂糖を含む飲食物の摂取頻度を減らすというのが基本となります。
う蝕というのは、いわゆる虫歯菌が砂糖を餌として酸を産生し、その酸が石灰組織である歯を溶かすというメカニズムで発生しますので、いかに虫歯菌に餌を与えないかというのが大事なのです。(大人についても同じです)
もう一つ重要なのが、糖分の摂取頻度です。
例えば1枚の板チョコレートがあったとして、これを一度に食べて直ぐに歯磨きをすれば虫歯菌の活動時間は短いので虫歯になるリスクはそれほど高くありません。
逆にこのチョコレートを小分けにして、少しずつ食べていると虫歯菌に常に餌を与えている状態になり虫歯になるリスクは一気に上がってきます。
昔から「3時のおやつ」というようにお菓子などを食べるときは時間を決めてダラダラ食べをしない、日常的に飲む飲料はジュースなど砂糖を含むものは避けるといったところは徹底しましょう。
ここがクリアできないと、いくら頑張って治療をしてもまた虫歯が再発し、まったく意味のないものになってしまいます。
治療については当院のモットーであるMI(最小限の侵襲)に基づき、う蝕の部分のみを取り除きコンポジットレジン(硬質プラスチック)での修復が基本となります。
う蝕が進行し、神経が侵食されてしまっている歯で、交換期まで保存が必要なものについては大人と同様に根の治療を行っていきます。
小児の治療に関してはその子の年齢や性格にもよりますが、恐怖心を緩和するために、できるだけタービンやエンジンといった機械の切削器具の使用を避け、手用の器具で治療を行うように配慮しています。
治療や検診に付随して予防のためにフッ化物の塗布も行っておりますが、こちらは別途費用は頂いておりません。だだし、フッ化物塗布はあくまで前述の生活習慣があっての予防処置ですので、くれぐれもフッ化物を塗布したから虫歯は大丈夫ということではありませんのでご注意ください。
歯並びについても、定期的に検診をすることで将来的な予測を立てやすく、もし矯正をお考えであれば適切な開始時期や治療プランを前もって提示することもできます。
基本的には交換期が過ぎてから(歯が全て永久歯に生え変わってから)、年齢的には中学生以降に本格的な矯正は検討すればよいというのが当院の考え方ですが、6~7歳の前歯の生え変わりにおける咬み合わせなど、早期に対応した方がよいケースもありますので、特に虫歯など問題がなくても予防も兼ねて定期的に受診をするというのはベターだと思います。